映画『夜は短し歩けよ乙女』完成披露上映会が9日、都内・TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、声優を務める星野源、花澤香菜、神谷浩史、秋山竜次(ロバート)、湯浅政明監督が登壇した。
第20回山本周五郎賞受賞、累計売上120万部を超える森見登美彦の同名原作を映像化した本作は、京都の街を舞台に、大学のクラブの後輩“黒髪の乙女”に思いを寄せる主人公“先輩”の恋心を描いた青春恋愛劇。後輩である“黒髪の乙女”に思いを寄せるも、外堀を埋めるばかりで一向に進展させられない冴えない大学生の“先輩”を星野源が演じ、“黒髪の乙女”役に花澤香菜、“学園祭事務局長”役に神谷浩史、“パンツ総番長”役にロバート秋山らが名を連ねる。監督は『四畳半神話大系』『ピンポン THE ANIMATION』などで知られる湯浅政明が務め、脚本の上田誠、キャラクター原案の中村佑介、主題歌のASIAN KUNG-FU GENERATIONら『四畳半神話大系』で湯浅とタッグを組んだクリエイター陣&アーティストが6年ぶりに集結する。
キャスト陣が登場するや、会場からの鳴り止まぬ絶賛の拍手に「皆さん素敵な笑顔でとても嬉しいです!ありがとうございます!」と星野。アニメ声優として単独初主演を務め、湯浅監督から直筆の手紙でオファーを受けたという星野は「突然お手紙が台本とともに届いたんですね。湯浅さんの(長編アニメデビュー作)『マインドゲーム』という作品を当時観て、そこから湯浅さんの作品を追いかけていました。『星野さんに“先輩”をやっていただいたら必ず面白くなると思います』と書いてくださってて...断れないなと思いました」と語る。メガネをかけての登場に、「“先輩”の気持ちになりたいなと思ってかけてきました」とはにかんでいた。
読書好きで知られる花澤は、森見登美彦原作のヒロイン“黒髪の乙女”を演じて「とっても嬉しかったです!」と笑顔。「原作は大学時代に読んだことがあって、“先輩”みたいな人って身近にいるな〜と思いながら読んでいました」と明かした。
また、“学園祭事務局長”を演じる神谷も「ありがたかったですね。(出演が決まって)本当に嬉しかったです!湯浅監督といえば同じ森見登美彦原作の『四畳半神話大系』ですよ。僕オーディションに落ちていて、オンエアで浅沼晋太郎がちゃんとやっているのを観て『これ俺できないや』『落ちてよかった』と思うほど(笑)猛烈に早口で喋る主人公だった」と語り、「それを観て『こういう作品を作る人なんだ』『こういう画を作る人なんだ』というのを感じて、どこかで機会があればと思っていたところでの(出演の)お話だったので、本当に嬉しかったです!」と喜びをあらわにした。
一方、“パンツ総番長”を演じる秋山は、オファーを受けた際「最初に『“パンツ総番長”...なんだこれは?』と思っていた。アニメをあまり観なかったタイプなので分からなかったんですが、まずパンツが好きなので、パンツに関われる喜びはありましたね。パンツ無しでは生きていけないくらい好きなので」と言うと、会場は爆笑の渦に。続けて「願いを叶えるまでパンツを履き替えない素敵な役なんです。僕も今日4日くらいパンツ履き替えてないし、(役に)負けないように歯を磨かずに来ました」と、秋山の気合の入れように星野らも声をあげて笑っていた。
そんな秋山の「クリエイターズ・ファイル」に登場する若手声優界トップのキャラクター・二木陽次にかけ、星野が「“臓声”(心臓・臓器から声を出すこと)をやってたスタジオで僕たち撮りました(笑)」と暴露し、「あのくだり好きなんです。どう考えてもおっぱい揉んでるようにしか見えない」とツッコミ、笑みをこぼしていた。
また、本作の見どころシーンを聞かれた秋山は「もう全部ですね。どこを切り取ってもポストカードになるような、家に持って帰りたくなるようなシーンの連続です。『ここください』『ここもください!』ってずーっと言ってましたよ!」と言及。星野が「それ誰が聞いてくれてるんですか(笑)」とツッコむと、秋山は「VTR見ながら一人で(笑)それくらいポストカードになるようなシーンばかり」と言い、会場からは笑いが起こっていた。
最後に星野は「“先輩”のまっすぐな気持ちが画面に出ていたら嬉しいなと思いながら演じさせていただきました。全体的に観ているだけで脳みそが気持ちいいというか、人の頭の中に入って独創的な世界を観ている感覚というか、アニメーションの力って本当にすごいなと痛感する作品だと思いました。本当に面白い作品です」とアピールし、イベントを締めくくった。
映画『夜は短し歩けよ乙女』は4月7日(金)より全国公開
【CREDIT】
先輩:星野源
原作:森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』(角川文庫刊)
監督:湯浅政明 脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)キャラクター原案:中村佑介
音楽:大島ミチル 主題歌:ASIAN KUNG-FU GENERATION
制作:サイエンス SARU 製作:ナカメの会 配給:東宝映像事業部
公式サイト:kurokaminootome.com
(C)森見登美彦・KADOKAWA/ナカメの会