『怒り』渡辺謙が監督・李相日を絶賛「日本映画界の宝」、綾野剛×妻夫木聡は相思相愛っぷり披露

映画『怒り』ジャパンプレミアが14日、都内・東京国際フォーラムにて行われ、主演の渡辺謙をはじめ、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、宮﨑あおい、妻夫木聡、李相日監督が登壇した。

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本作は、現場に「怒」の血文字が刻まれた未解決の夫婦殺人事件から1年後を舞台に、前歴不詳の3人の男が千葉・東京・沖縄に現れたことから巻き起こる群像ミステリー。主演の渡辺謙を筆頭に、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、宮﨑あおい、妻夫木聡が共演する。『悪人』の原作者・吉田修一と監督・脚本を務めた李相日が再び本作でタッグを組み、音楽を坂本龍一が担当する。

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豪華キャスト陣の登場に、約4,300人の観客から大歓声が沸き起こった。妻を亡くし、千葉の漁協で働く宮﨑扮する愛子の父・槙洋平を演じる渡辺は「こんなに大勢の方々に観ていただけることを嬉しく思います」と挨拶。先日、宮﨑と李監督とともに出席したトロント国際映画祭での反応を「(現地の)お客様と一緒に観させていただいて、本当に李相日は進化したなと。前作『許されざる者』でご一緒させていただいたんですが、あれからこんなに優しい男になったのかという印象を受けました。自分が出ている映画で泣くのも可笑しいですが、本当に滂沱の涙で。それがトロント国際映画祭での大きな収穫でした」と明かした。

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実際に無人島で寝泊まりしながら役を作り上げたという森山は、広瀬扮する泉が無人島で出会ったバックパッカー・田中信吾を演じる。「登場人物全てに痛みや闇だったりがあって、その中でそれぞれが関わっていく。千葉・東京・沖縄と3つに分かれているので、オムニバスのような構成にはなっていますが、僕の印象としては、リアルの一つ上のファンタジーのような。人の頭を覗いているような感覚、何言ってるかちょっと自分でもよくわかりませんが(笑)とにかく嬉しいです!」と出演の喜びを語った。

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渡辺扮する洋平が働く漁協で仕事を始め、宮﨑演じる愛子と同棲する田代哲也役の松山。公開を9月17日に控える今の心境を「本当に素晴らしい作品ですので、できれば1億人に観てもらいたい。この場に大体5,000人の方々がいるので、1人2,000人の方に勧めていただければ1億いけるんじゃないかな」と笑いを誘った。

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また、新宿で妻夫木扮する優馬が出会った無職の男・大西直人を演じる綾野は、役作りのため妻夫木と一緒に暮らしていたことを明かし、「直人が存在できたのは妻夫木さんのおかげだったと心から思っています。妻夫木さんとの生活は愛おしい時間でした」と告白。その雰囲気に会場が笑い混じりにどよめく中、妻夫木も「剛がいたからこそ、役でいることができました」と相思相愛っぷりをのぞかせた。

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沖縄の離島に母と2人で引っ越してきた高校生・小宮山泉役の広瀬は「すごい人間の生々しい部分だったり、言葉では伝わっているんだけど目がそうじゃない部分というか。ものすごく残酷な中に、ものすごく愛おしい愛情があって、この映画を観ていて今までにない感覚を経験させていただきました」と本作の出来に手応えを感じている様子。

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一方、李監督との初タッグに宮﨑は「監督と初めてお会いした時は、もう“李監督”だったので、役を離れてちゃんと話をしたのが数日前のトロント映画祭の時でした。家族構成とか、普段の生活の話を聞いて『監督ってこんな優しい顔で笑ってくれる人なんだ』って(笑)今も監督が笑いかけてくれるだけで、ちょっと涙が出そうです」と李監督のギャップに笑顔をのぞかせていた。

イベントでは、トロント国際映画祭に続き、スペイン最大の国際映画祭・第64回サン・セバスティアン国際映画祭への正式出品が発表。日本映画作品で唯一、コンペティション部門に選出される。

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最後に渡辺は「相当インパクトの強い映画です。覚悟してください」と語り、「吉田修一さんが、ある意味血みどろになって生み落とした原作を、日本映画界の宝だと僕は豪語している李さんが映画に、坂本龍一さんが素晴らしい音楽を作ってくださった。李相日って3年に一度しか撮れないんです、大変すぎて。その3年の想いを僕らが本気で受け止め、身を削ってのたうち回って作り上げました。ちょっと暑苦しいかもしれませんが、何か熱いものを感じていただけると思います」と想いを明かし、イベントを締めくくった。

映画『怒り』は9月17日より全国公開

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